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国やぶれて田中あり

田中兄弟社の兄です

今日を限りの 田中ともがな

 最近とみにもののなまえ、ひとのなまえがおもいだせません。新シリーズ「加齢特集」といった感がある。

 どうでもいいミュージシャンやらバンドのなまえが出てこないのはうまれつきですが、そこそこぐらいにしか聴きこんでいないものに関しても簡単にわすれさります。文字数がおおいものは特にあぶない。
 タル・ウィルケンフェルドのようなややこしい文字列でも 、乳でたたきこまれると絶対にわすれないんだけども。おこらないできいてください。

 以前もすこしかきましたが、あるいつも見かける女の子にいたっては、顔もなまえもおもいだせません。何度も話したことがあるのだけれど、どうしてもこの、定着しない。
 「えっいまあの子いたの!? あの子はえーとあの、なんだっけあの」
 毎度のごとくわめいており、弟が頭をかかえています。
 けっして彼女がブスであるとか、モブ顔であるいったことではありません。むしろ美人なのです。
 美人であったという事実はおぼえているのだが、現にめのまえにすると記憶のなかのなにものともむすびつかない。

 人生にはわすれたほうがいいことのほうがおおいです。ことにユーチューブのコメント欄で喧嘩しているひとたちなどをみていると、きみたちはなにもかもわすれたほうがいいのではないかなどとおもわれます。
 うつくしい音と光、かけがえのないひとたちのことだけ、胸にきざんでいけばいい。

 私とて、ことエフェクターのこととなると、絶対にわすれることはないのです。一転機材。

 今回はこまかい話ははぶくんですけど、だってだれもよんでなくねえか、上等なファズをかいました。
 これは、まあそれでもかいつまんで説明しますと、ゲルマニウムトランジスタの温度により動作点が変動するという欠点をbiasつまみとLEDインジケータにより、ほらいまよみとばしただろ、克服した力作であり、私の足もとにはめずらしいブティック系です。

 ブティック系ふまなかったらもったいないよなっつうことで、attackおよびtrimつまみと楽器側のボリュームしぼってふみっぱにしてみようとか、いろいろためしているところですが、やっぱりフルテンにしといてここぞというところでふみつけてあぁ^~という音にするのが俺好みのもの。
 biasつまみをあさっての方向にまわしきってロービットっぽい音にするのもアリです。こんな雑な人間にほんとうにブティック系ペダルが必要だったのか。

 しかし、やはりファズはテンションぶちあがりますね。ひずみでぶっつぶすとピッキングノイズもわからなくなるし、私むきのエフェクターです。

 完全無欠におもえるこのペダル、ひとつだけ欠点といいますか、問題点といいますか、おおきな懸念があります。
 いま時期の室温で、biasつまみのスイートスポットが9時あたりなのです。はだざむい朝でようやく10時くらい。
 これを、気温があがっていくごとにしぼっていかなければいけません。暖房がきいてくると、スイートスポットもどんどんおちていきます。最小値をしたまわってしまうということも、既に頻繁におきています。

 夏場はどうするのでしょう。

 かくなる上は、供給電圧をさげたらよいのだろうか、あるいはあげたらいいのだろうか。供給電圧をかえるために電圧可変機能のついた高級電源をかったらよいのだろうか、などと相談したところ、アイスノンでの冷却というアドバイスをいただきました。あたまがひえた。

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 ふたつのバンドの支度、そこそこがんばってます。
 そのうちなんか出せるとおもう。

花より田中

 高慢なカネ持ち、第一印象は最悪。でもだんだんその魅力にきづいて、いつしか夢中になっている。
 少女漫画の定番ストーリーです。私がいまからするのはグルメバーガーの話だ。

 そのブームは、10年ほど前であったでしょうか。客単価が1000円をこえる価格帯のハンバーガー店が乱立しました。
 最初はシンプルにしゃらくせえとしかおもいませんでしたが、いつしか行きつけの店がふえていってしまっていた。おいしいんだからしょうがないよね。
 生ビールを供する店がおおく、その点もいとをかしというか、俺好みのもの。

 こういうところに店名をはっきりかくと、必要以上に店が混雑してしまって、常連さんばかりか、当のお店にまで迷惑をかけるということがありえます。
 特にアルファプロブロガーとして全国2000万の美少女読者を擁するこの私のエントリーの影響力はあなどれません。
 以上のことをかんがみて、おきにいりのグルメバーガーのお店について、漠然とかきます。

長髪の後輩が東武線で酔っぱらいに「ホームレスが電車のってんいいとおもってんのか」とからまれたバーガー(仮名)

 足立区にあります。
 本店は非常にわかりづらい場所にあり、支店が駅ビルに出店しています。いずれもせまい上メディア露出があり、混雑していますので、ある程度ならぶことは覚悟しましょう。
 肉はジューシー、バンズはふっくら。たりめえだ1000円以上だしてんだぞ、客ナメんな。
 いや、それにしてもここのパティは肉汁たっぷり、充実の噛みごたえ。それでいて全体のバランスはきちんとととのっています。絶品といえましょう。
 きにいらないことがあると他人を殴りがちな下町っ子も大満足のボリューム感です。かれらからにげる際の時間稼ぎにつかえます。背後にむけてほうりなげて、くいついているスキに逃げればよい。
 ポテトもどっさりともられてきます。律儀に全部くってたら生活習慣病になるぞ。
 おおきいバーガーがたのめます。たべきれなかったぶんは私がかたづけるので、とりあえずいちばんおおきいのにしときましょう。

何で私が東大に!? いやきみおもいっきし東大顔じゃんバーガー(仮名)

 新宿区にあります。
 駅そば、踏切のちかくで、クソあぶねえカーブの道にめんしており、油断してると自分がひき肉になるのできをつけましょう。
 ヒューガルデンがのめます。ヒューガルデン金麦(大)ほどにはやすくないので、貴族のいきおいでのむと破産するのできをつけましょう。
 このお店が行きつけのリハスタの近くにあるせいで、リハがはじまる頃にはアル中の豚になっているということもしばしばです。
 おおきいバーガーがたのめます。たべきれなかったぶんは私がかたづけるので、とりあえずいちばんおおきいのにしときましょう。

渋谷はちょっと苦手 majiでキャンドル5秒前バーガー(仮名)

 広末涼子さん、すきだったんですよね。ライブビデオとかもってました。
 渋谷区にあります。
 よくわからない店構えというか、営業中であっても準備中のダイニングバーにしかみえません。実際にダイニングバーでもあるのですが、店内は昼なおくらく、往々にして客はまったくいません。
 ここは穴場です。注文をうけるとおじさんがキッチンにひっこんで、丁寧につくってくれます。かなり時間がかかりますが、まったぶんだけうまいハンバーガーにありつけます。
 味は総じてうすめで、印象としては家庭的。これが貴重なのです。ここのハンバーガーにかぶりついた際のしあわせなきもちはちょっとほかではえがたいものです。
 黒生ビールなどという乙なものが日のたかいうちからたしなめます。バーガーとの相性は抜群。
 おおきいバーガーがたのめます。たべきれなかったぶんは私がかたづけるので、とりあえずいちばんおおきいのにしときましょう。

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 たべきれなかったぶんは私がかたづけるので、とりあえずいちばんおおきいのにしときましょう。
 大は小をかねる。

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田中ウアー

 たとい真央ちゃんが引退しようとも。私がブログから身をひくことは断じてないのです。どれくらい未来から来たかわかるな。
 なにからおはなししたものでしょうか。
 まずはいま私は、医者から酒をとめられています。

 酒がのめない。
 これほどかなしいことがありましょうか。  かなしみをいやすものは酒しかありません。これはもう、のまずにはおれますまい。
 のみにいくのは当然のことです。

 弟をともなって、酒を供する飲食店、酒の小売店、などを何店かめぐったような記憶がうっすらと脳裏にあります。
 生ビールとよばれる液体に電気ブランと称する液体を投入した謎の液体をあおりながら、「はれぼったい無表情のねえちゃんサイコー」とわめき、「はれぼったい無表情のねえちゃん」がさすところの店員女性とわずかなりとも交流をふかめるために、金もないのに何杯もの謎の液体を注文した、ような、この胸の底にねむるかすかなおもいで。恋のかけら。
 昨夜のことであったでしょうか。百年前のことであったでしょうか。
 そうしたことを確言するには、私はいのちをながらえすぎました。
 千年もひと夜の夢。

 ご心配にはおよびません。
 たとえこの記憶が事実であったとしても、あれしきの量は飲酒とはいわないのです。あれしきの量を飲酒とよぶことにはいささか抵抗がある。
 私としても致死量の飲酒が確定的にみこまれる会合への参加の見送りといった機動的な対応をとっています。医師からの指導は、遵守しています。

 医師になりたかったことがありました。いや、べつになりたくはねえな。なるように親からいいつけられていたことがありました。
 親のいいつけとみずからの意思が未分化である時期がだれしもありましょう。そんな時分の話です。
 母方の祖父は歯科医。叔父には開業医がおります。
 みずからは会社員にとついだ母は、かれらとの経済的な格差をつよくかんじていたらしいのです。
 医者はかねもち。ものごころもつかぬうちからそれだけを徹底しておそわりました。医療行為の社会的な使命、それにともない生ずるきわめて重大な職務上の責任、などについては一切言及がありませんでした。
 ある年齢で自分の進路をみきわめ、つうか、有り体にいいますと国公立の医学部にひっかかるにはとうてい成績がたりなかったので、医者への道は不可避的にたたれました。
 私のような人間がまかりまちがっても医者になるようなことがなくてよかったと心からおもう。

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 人間、だめっていわれるとやりたくなる、やれっていわれるとやりたくなくなるよね。 この人間力を応用して美少女とイナバウアーしたい。
 誰も私とねてはならぬ。

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照れてる田中に虫達が くちづけせよとはやしたて

 結婚パーティーによばれなかった話だけは、どうしてもしておかなければいけません。

 弟も、それから太郎ちゃんも、そのパーティーにまねかれていました。
 つまり一門で声がかからなかったのは私だけです。
 強制労働ツアーでおなじみの恩師までもがその場にいらしたそうです。

 私をよばないというのは、いかがなものでしょうか。

 しかしこれはおそらく、田中一門の分断を図る策謀です。
 結婚パーティーからハブられる。そのような目にあえば、この私はどう動くでしょう。
 そこにわだかまりがめばえる。遺恨が生じる。胸のうちにどす黒い雲がわきあがってくる。

 弟と太郎ちゃんを、討つ。

 私は当然のこととして、そのようにかんがえるでしょう。
 事実、この計略に気づくまでは、私の頭の中は弟と太郎ちゃんをなきものにすること一色でした。

 どちらか一方を先に殺める。    怒りにまかせてかるはずみにその儀におよべば、残党たる他方に警戒されましょう。
 さすれば万にひとつ、しそんじる、ということも考えられます。
 それはなりません。断じて一網打尽にせねばなりません。謀反人がのうのうとのさばるようなことが許されてはならないのです。それは世の理、道義に反します。
 天誅それよりほかに道はのこされてはいないのです。

 弟と太郎ちゃんを一挙に討ちとる計画をたてました。
 これを阻むは、ふたりの居城のとおさです。
 太郎ちゃんは都内のいいところ。弟は地の果て、埼玉。
 まずは二人をひとつところにおびきださねばなりません。

 宴を催したところ、ふたりともホイホイと出てきました。
 チョロいものです。私に謀殺されるなどとは微塵もかんがえなかったのでしょう。
 それどころか、おひとよしなことに弟は、アキヨドで私のUSBケーブルをパシるなどしました。ありがとうありがとう。
 これに乗じて太郎ちゃんなどはポイントでこの支払をたてかえ、私からの支払いを受けとるというスキームでポイントを現金化し、その日の飲み代をてにいれるなどしていました。太郎ちゃん、天才かよ。

 めんどくさい酔漢にからまれた一軒目をのがれ、ケバブをかじるなどしながら、私たちは二軒目としていきつけのイタリアンワイン&カフェレストランののれんをくぐりました。
 ここで、弟と太郎ちゃんの首をとる。私はその覚悟をきめていました。

 真イカのパプリカソースをふた皿たいらげ、マグナムワインがはんぶんになったころです。
 おもいがけないことがおきました。太郎ちゃんが具合をわるくしたのです。
 もともと太郎ちゃんは体質的にワインが苦手とのことなのでした。そこへさしてマグナムですから、毒としてからだをめぐってしまうは必定といえましょう。

 私もいささか心配になりました。
 不思議なものです。これから首をはねる相手の体調などどうでもいいはずなのに。くるしむ姿をまのあたりにして、鬼となり身内を斬る決意がゆらいだのでしょうか。
 やがて太郎ちゃんは、トイレにこもってしまいました。

 弟が、心配して様子をみにいきました。
 私はこのとき、一門のふかい絆を感じました。
 そして、すべてが田中一門の力をそごうとする者による謀であったことにきづいたのです。

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 この者どもゆるすまじ。
 ねだやしにしてくれる。

盗も田中の門を過らず

 電源! 電源電源電源!
 はいはい機材回機材回。このブログうんこか機材の話しかねえ。
 2人くらいの読者の方からはげましのメッセージをいただいている当ブログですが、機材回だけはガチでよみとばされてるとおもうんだよな。

 電源がマイブームです。お金がないので今のところ買えませんが、ネットウインドウショッピングをたのしんでいます。至福のときです。
 太郎ちゃんの上司の方が開発にかかわったという製品など、真っ黒でセクシーです。コスパもたかそう。
 それにしても、まだ買ってもいない機材の話でどうやって一回ブログをかくつもりなのでしょうか。

 すでに買ってしまったものもあるのです。じつは。買うことがわるいことだっていう自覚はあるんだな、この文言からすると。

 コンパクトエフェクター用の電源分配器を買いました。ハイオーディオ向けのクリーン電源などを手がけるメーカーのもので、現在ではディスコンになっているようです。
 それをかますと、どうなるのでしょう。いままで使っていたAmazon一位コスパ最高情強サプライとなにがかわりましょうか。

 ほんすこし音がかわります。ほんのすこし。

 どのようにかわるかというと、金属倍音の上方に蒼天のごとき空間がひろがり、超高域にミントのような爽やかさがただよいます。わかったでしょう、普通の神経のひとは絶対にかわなくていいです。
 マジレスするとハイになんか若干の変化ありました。若干ね。
 なによりみためがカワイイんだよね。機材はみため。

 フツーのパワーサプライよりだいぶちいさいのもいいですよね。
 ちいさいことはいいことです。女房とあわびはちいさいほうがいいという言葉があります。意味はよくわかりません。
 とはいえ、これはいわゆるパワーサプライではなくたんなる分配器であり、別物です。もうこまかいことはどうどうでもいいというか、私のことなどどうでもいいですよねみなさん。

 この分配器でもってわけていく、おおもとのACアダプターですが、いまのところみんなもってるフツーのしかもっていません。
 これもACアダプタとしてんはプラグ部がスマートですし、ノイズフィルターもついていてかなりのすぐれもの、お値段おてごろ、信頼の国内最大手BOSS製、迷ったらこれ一択! というようなにくいやつではあります。
 しかるに。
 オーディオ屋さんがつくった、各々の端子ごとにコイルがついているというような変態分配器に、そんな老若男女の鉄板チョイスがふさわしいといえるでしょうか。いやいえはしないのです。
 老若男女のいずれにも、この私はあてはまりません。あなたたちにわかりやすい言葉で説明すれば、私は天使です。
 この際フリーザ様のちいさいのにかえようとおもいます。これかなりよさそう。よさそう電源。

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 音がよくなるにつれ、おのれのピッキングノイズがきになってくる。
 演奏は機材ではどうにもならない。

シン・田中ゲリオン劇場版:||(スリランカ熱闘編外伝解決編 名探偵肛軟・時計じかけの脱糞)

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 この日、弟が帰国しました。
 弟は熱風吹き荒れるスリランカでグルメ熱闘をくりひろげた結果、完全に胃腸をやられ、たべたらすぐ出るという状態におちいっていました。
 スリランカ熱闘編、外伝解決編にしてはじめてスリランカに関連する熱闘についてわずかに記述されました。

■前回までのあらすじ■

 めんどくせえ。フツーに前回なんで前回をよんでくれ。

 そしてみなさん、いよいよ今日のその時がやってまいります。  なお、今日のその時は脱糞ではありません。安心してください。出してませんよ。ブログかくような人間にそもそもはじらいなんかあるわけないだろ。

 私には、正室がそのときにいたってはじめて火をはいたようにはおもわれないのです。
 たぶんこの、喜怒哀楽の怒哀の方向にエモくなると発火する、ということですから、身体的な危機、たとえばするどい痛覚などにたいしてもそのようにはたらきましょうし、大名の初回ログイン時などこの、挿れただけで軽く吹く、といったような、いよいよたいへんなことになってきたな、このブログ。

 推測の域をでないのですが、正室のその特殊な体質について、大名とその近習はすでに把握していたのではないでしょうか。
 お館様の御身、御命にかかわることです。
 家臣たちはなんどもこの正室をきりすてるよう、すくなくとも離縁し城からとおざけるよう、かさねがさね進言していたことでしょう。
 しかし、大名はなんとしてもそれをしなかった。いきりたつ家臣をいさめ、家中で孤立をふかめる正室をまもりぬきました。
 ここにその愛が、乱世に咲いた恋の花があります。

 なればなぜ、結局のところ城からおいださねばならなかったのか。
 大名は正室に飽きてしまったのでしょうか。その手あつい庇護は、戦づかれからくるいっときの気まぐれだったのでしょうか。

 私にはそうはおもわれません。私はただ、その愛をしんじます。

 おそらく大名は、家中をおさえられなくなったのでしょう。
 嫡男のうまれぬを火炎放射体質とむすびつけ、陰日向にないがしろにする動きがいきおいをましてきた。もはやどのようになだめすかし、あるいは脅しても、家中をまとめることはできなくなっていた。
 そのままでは、正室が暗殺されるおそれすらありました。あるいは譜代の謀反のきっかけともなりえました。

 苦渋の決断です。

 ではなぜ、ただただ城をおいやるのみにせなんだか。
 いずれその儀におよぶにせよ、あてつけのように、ときをおなじくして側女をむかえる必要がどこにあったでしょうか。
 やはりこれは愛想のつきはてた大名の酷薄な仕打ちにほかならないのではないでしょうか。

 否。
 やはり私には、そうはおもわれないのです。どこまでも、私はそこにあった愛をしんじぬきます。

 ただただおいだすのみとなれば、いかに伏せようともその理由は、正室の火焔癖にのみある、としれましょう。
 正室はどのようにおもいましょうか。まずは、わが身をうらむでしょう。そして二親をうらみ、わが身に流れる血をのろい、絶望のうちに自刃することまでかんがえられる。
 そこで大名は、みずからの心変わり、のごとき体をとったのです。
 なればいかがなりましょう。正室の怨念は大名に、側室に、あるいはその儀をうながし自らを追放するようしむけた家中の者どもにこそ、むけられましょう。
 そのにくしみは他にむけられこそすれ、己が身をほろぼすようなことはあるまい。戦を、敵将の首をねらうことをみずからの生きがいとする戦国武将として、大名はそのように考えたのです。

 このふかい思慮を、大名の愛とかなしみの深さを、正室はさとらぬわけがない。私はそのようにおもいます。
 だれよりも大名の、その心のそばにしたがい、ときに焼き武者にしそうになりながらもその寵愛を一身にうけた正室なれば、当然のことです。

 ではなぜ、火焔をはいたのでしょうか。

 さだめ。
 その苛烈さ。徒花なくしてすすまぬ時というものの道行き。
 世の無常、恋の儚さ。人の心根のやさしさ、よわさ。
 その身のひえてゆくおもいの先にある久遠の孤独。いとしき男の肩の手ざわり、息の熱。ほとばしりとおざかる、あざやかな夜の記憶。

 そのようなものが一時にその胸に去来し、口からあふれでる火をおさえられなかったのです。

 春は恋の季節
 口から火がでるような恋がしたい。

田中の紐(スリランカ熱闘編外伝前編 名探偵子難・ベイカー街の妊活)

 テレビをみていたのです。いつのことだったかはもうわすれた。

 私は基本的に、公共放送しかみません。これは、普段の言動からそうおもわれてもしかたがない部分はあることは否定しませんが、しかし、受信料のもとをとるためではありません。

 一日中、テレビというものはつけっぱなしにしています。しかし、テレビをみているだけの時間、というのは、原則としてないのです。
 自室にいるときはつねにギターをひいているか、資源ごみの山をながめておもいつめているか、ねむっているか、のいずれかです。
 これらの行為のバックグラウンドビジュアルとしてもっとも適しているのが、NHK総合なのです。
 これは、相対的なものでもありますが、全体に音がしずかであるということがあります。やはりコマーシャルがないのはおおきい。

 その日、たぶん3月25日だったと思うんだけど(時代考証上の誤り)、「おんな城主直虎」にひっかけた、「他にもいた! おんな城主」みたいな特集番組がはじまりました。
 他にもいたらしいのです。しかも複数名。
 姿見でフォームをチェックしながらものすごい爆音でカッティングの修行をしていたので全体的な内容はまったくおぼえていないのですが、ひとつだけきわめてつよく印象にのこっているくだりがあります。

 どこかのおんな城主的な人物、この方はしかし、大名の正室という立場だったのですが、ながらく男子を出産できなかったために、夫である大名から(側室に)きりかえていく、というお気持ちのにじみでた処遇をうけた、ということなのでした。
 すなわち、正室の座にありながら城をおわれ、別の屋敷にすまわされるにいたった、との由なのです。

 なんとも不憫なことですが、このようなことは戦国の世ではありえぬことでもなかったでしょう。
 武家の者たちは、いわゆるお家断絶をもっともおそれていました。
 そうはいってもまあ養子とかなんとかあるし、わかい側室とハッスル種子島したいだけなのではないか、というご指摘もありましょう。そういう心境があったとすればさっするにあまりある。

 私のことはいいのです。

 とにかく、ここまでのところは当時の社会通念を勘案すれば、想定の域をおおきく逸脱する、とまではいえません。
 凄絶なのはここからです。
 このかわいそうな正室、家臣からその処遇をきかされた折、「残念だ」と嘆きながら口から火焔をはいた、 というのです。
 人間が口から火焔をはく、というのは、乱世にあっても尋常とはいえなかったのではないでしょうか。これはまさに歴史秘話ヒステリアといった様相でして、ごめんなさい。

 この話をきいて、まずはきわめて率直かつリアルにうわあこええとふるえあがりましたし、また、夫たる大名にたいしてはおっさん手際わるいなあともおもわれました。

 しかし、のちのち私はよくよくかんがえました。
 そうして、これはそれほど単純な話ではなかったのではないか、ということにおもいいたったのです。
 「歴史読本」誌の読者交友欄でしりあった男女を両親にもつ生まれついてのタイムスクープハンターとして(いますぐにしにたい)、この日本史最大の謎を看過するわけにはまいりません。

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 スリランカ熱闘編の外伝として、当ブログはこの火吹き正室のミステリーに迫ります。
 スリランカからとおく離れたこの日本の地において、とおい昔の日本の歴史におもいをはせるというのも、また一興なのではないでしょうか。
 どうも上の一文はスリランカが徹頭徹尾無関係であるようによめるが、それはこのシリーズの最大の特質でもある。

 存外にながくなってしまいました。稿をわけさせていただきます。
 次回につづく。