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国やぶれて田中あり

田中兄弟社の兄です

田中の紐(スリランカ熱闘編外伝前編 名探偵子難・ベイカー街の妊活)

 テレビをみていたのです。いつのことだったかはもうわすれた。

 私は基本的に、公共放送しかみません。これは、普段の言動からそうおもわれてもしかたがない部分はあることは否定しませんが、しかし、受信料のもとをとるためではありません。

 一日中、テレビというものはつけっぱなしにしています。しかし、テレビをみているだけの時間、というのは、原則としてないのです。
 自室にいるときはつねにギターをひいているか、資源ごみの山をながめておもいつめているか、ねむっているか、のいずれかです。
 これらの行為のバックグラウンドビジュアルとしてもっとも適しているのが、NHK総合なのです。
 これは、相対的なものでもありますが、全体に音がしずかであるということがあります。やはりコマーシャルがないのはおおきい。

 その日、たぶん3月25日だったと思うんだけど(時代考証上の誤り)、「おんな城主直虎」にひっかけた、「他にもいた! おんな城主」みたいな特集番組がはじまりました。
 他にもいたらしいのです。しかも複数名。
 姿見でフォームをチェックしながらものすごい爆音でカッティングの修行をしていたので全体的な内容はまったくおぼえていないのですが、ひとつだけきわめてつよく印象にのこっているくだりがあります。

 どこかのおんな城主的な人物、この方はしかし、大名の正室という立場だったのですが、ながらく男子を出産できなかったために、夫である大名から(側室に)きりかえていく、というお気持ちのにじみでた処遇をうけた、ということなのでした。
 すなわち、正室の座にありながら城をおわれ、別の屋敷にすまわされるにいたった、との由なのです。

 なんとも不憫なことですが、このようなことは戦国の世ではありえぬことでもなかったでしょう。
 武家の者たちは、いわゆるお家断絶をもっともおそれていました。
 そうはいってもまあ養子とかなんとかあるし、わかい側室とハッスル種子島したいだけなのではないか、というご指摘もありましょう。そういう心境があったとすればさっするにあまりある。

 私のことはいいのです。

 とにかく、ここまでのところは当時の社会通念を勘案すれば、想定の域をおおきく逸脱する、とまではいえません。
 凄絶なのはここからです。
 このかわいそうな正室、家臣からその処遇をきかされた折、「残念だ」と嘆きながら口から火焔をはいた、 というのです。
 人間が口から火焔をはく、というのは、乱世にあっても尋常とはいえなかったのではないでしょうか。これはまさに歴史秘話ヒステリアといった様相でして、ごめんなさい。

 この話をきいて、まずはきわめて率直かつリアルにうわあこええとふるえあがりましたし、また、夫たる大名にたいしてはおっさん手際わるいなあともおもわれました。

 しかし、のちのち私はよくよくかんがえました。
 そうして、これはそれほど単純な話ではなかったのではないか、ということにおもいいたったのです。
 「歴史読本」誌の読者交友欄でしりあった男女を両親にもつ生まれついてのタイムスクープハンターとして(いますぐにしにたい)、この日本史最大の謎を看過するわけにはまいりません。

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 スリランカ熱闘編の外伝として、当ブログはこの火吹き正室のミステリーに迫ります。
 スリランカからとおく離れたこの日本の地において、とおい昔の日本の歴史におもいをはせるというのも、また一興なのではないでしょうか。
 どうも上の一文はスリランカが徹頭徹尾無関係であるようによめるが、それはこのシリーズの最大の特質でもある。

 存外にながくなってしまいました。稿をわけさせていただきます。
 次回につづく。