悪貨は田中を駆逐する

ギターボーカルのタナカサトです

Stay In 田中

 約束はやぶるためにある、弦はきるためにある、とはよくいったもので、いいませんが、まあみればわかる。

 その日の朝替えた弦が3本きれたりしています。

 ありていにもうしまして、あまりよろこばしいことではありません。話はひじょうにかんたんで、つまり維持費がかさむからです。
 きりたくなければ、弦をきらないようなピッキングをすればよい。しかるに、こちとら弦をきらないためにギターをひいているのではないので、そういうわけにはまいりません。

 わかっております。
 模範的なピッキングをすればそうそう弦などきれるものではないのです。それは頭では重々承知しております。
 手が。この手が勝手に。  

 消えた恋が、ちんぽからでてこないように、切れた弦は、ギターからはえてきはしません。
 将来的にバイオテクノロジーがそれを実現してくれればのぞましいのですが、いまのところブリッジのあたりを頭皮マッサージしてもボディに指紋がつくだけでしょう。

 弦は、1セットで600円程度のものをつかっています。つまり、ごくごく一般的な価格帯の弦です。クソ弦とかではありません。
 ベーシスト的な存在であった時代、弦の維持費で首がまわらなくなってきたため、1セット800円くらいというベース弦としては破格のクソ弦をはってみたことがありましたが、バカ力でスラップやってたらはって5分位できれた。

 私が今ギターにはっている弦は、なんであったでしょうか。
 銘柄を挙げると心酔しているギタリストがばれてきはずかしいのですが、やんもう。SITです。

 そしたら、テレカスとかつかっているのでしょうか。答えはNOでして、そういうものはもっていません。
 なにしろ人体といいますか、人間側のルックスがおとりすぎていて馬子にも衣装とはいうけどよお馬子てめ調子のんなよというかんじになるがゆえ、楽器はあえて全然ちがうかんじのをもつことにしています。心にきめています。操をたてています。
 つかなんかあのでまわってるシグ的なやつ、あれざっくりした見た目だけ似せてるだけでヘッドとかきもいし、ださい気がする。私は何様なのでしょうか。

 ちなみに、彼とのハードウェア面の相違点としては、私はエフェクターを多用するということもあるのですけれど、これは自分はアン直でできる表現力がない、おそれおおい、という殊勝なかんがえからではなく、エフェクターかってリハスタで自慢するのがたのしすぎるからです。

 エフェクターは自慢できますが、弦きりは自慢になりません。
 なんとなれば、当然のことですが、私の弦はりのあいだ練習が停滞するからです。弦はる手際、どんどんよくなってきてるけど。

 それにしても、その日替えたSITが切れる。なれば、どうしてもあの場面がよぎる。胸がくるしくなる。目がしらがあつくなる。
 それはそれとして、SITだから特に切れやすい、ということはなかったとおもいます。DAddarioでもERNIE BALLでもだいたいおなじようないきおいできれていきます。
 それなりにいろいろためしたのです。コーティング弦はためしてすぐきれた場合の金銭的なダメージがおおきすぎるのでためしていない。 コーティング童貞。ティンコー童貞。

 あの日。あの日は、それでもライブ1本につき1本の切れ高でした。
 1日あたり3本も切るのは、あきらかに私のフォームと人間性がわるいのです。

 巷間の尋常なギタリストは、巻き弦はあまり切らないようです。切らない傾向にあるようです。
 私の場合、どの弦が切れるかはまったくわかりません。
 日曜のリハで切れたのは2弦、4弦、5弦でした。なんでしたら、弦切り占いができましょう。

 めをさましてみれば、今夜も砂糖鳥のリハです。二時間集中、一発勝負。
 今回は何本の弦がきれるのでしょうか。つか、前回ラストでぶったぎった2弦かえないと。
 などとギターを手にとってみれば、2弦の弦まくとこの棒がない。

 このときの恐怖といったら、あなた。
 ヘッドにぽっかり穴があいている。ヘッドの奥からこちらへ、まっくろな虚無が顔をのぞかさせている。

 もはやこれまでなのでしょうか。紛失してしまっていたら、もはやリハまでに入手して復旧するという時間はとれません。他の楽器をもっていきましょうか。それとも、今日のところはレンタルにしておきましょうか。
 とるものもとりあえず棒をさがしてみたところ、ギターケースの底からあっさりとみつかりました。よかった。ほんとうによかった。

 それにしても、この棒。
 この部位がはずれたことなど一度もないので、棒の正式名称がわからない。
 どのように固定されているのかも、さっぱりわかりません。固定する部品がみあたらないきがする。
 とりあえず元の穴につっこんでみるのですが、あからさまに他の棒よりもささりがあさい。棒がういている。
 そのまま弦をはってケースにつっこみ、家をでましたが、私は気もそぞろなのです。

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 棒を奥までハメないと。

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